この本もまた病棟のラウンジで見つけました。
NHKの連続テレビ小説にもなった、ゲゲゲの女房です。
11年前の本なんですね。そのため、本の中では水木しげる先生はご顕在です。基本的に過去の話なので関係ないといえば関係ないけど、過去の人みたいな言い回しになっていなくて良かった。
さてこの本ですが、生まれ故郷の話から始まり、結婚、貧乏生活と続き、作品がヒットした後の水木先生の仕事ぶりと家族の生活が、奥さんの布枝さんからの視点で語られています。
貸本時代の赤貧ぶり、知ってたつもりだけど奥さんの視点から改めて読み直すと凄まじいものがありますね。餓死しないために必死で仕事するとか、真似できる気がしません。そんな中での暮らしぶり。バナナの話と軍艦の模型の話。
どんな時でも楽しみを忘れちゃいかんですね。
水木先生の有名な「なまけ者になりなさい」という言葉、こういう意味だそうですよ。
はじめて水木が「なまけ者になりなさい」と色紙に書いたのを見たとき、私は「お父ちゃん、なんでまたそんな事を書くの?」と思わず問い質したことがあります。すると水木は「いや、これでいいんだ」ときっぱりといい、「オレは『なまけもの』になれるように、努力すべきときにうんと努力しておけという意味で言ってるんだから」とも言いました。
第六章より
なんかスミマセン。
最後の方に書いてありますが、「私は運命論者なのかもしれません」「なるようにしかならない」と考えられる奥さんだから、赤貧時代を乗り越え、ここまでこれたのかなと思いました。
この本も続きがあるようなので、またチェックしなくては。